ストーリー

MONO初の時代劇
"弥生時代"を舞台に描く"現在"の物語-
私たちは……誰に優しくしたらいいんだろう?

ここは狗奴(くな)の国
邪馬台国との戦さに備え
なんだか周囲は殺伐としている
そんな中、ある集落のはずれに
間抜けな三兄弟を中心にした家族が住んでいた
彼らはとても愉快に暮らしている

ある日、不思議な男が紛れ込む
追っ手から逃げてきたらしい
「うわ、早く追い出さないと 」
「あいつは仲間じゃないんだから」
「……だけどあの人、泣いてたよ」

弥生時代を舞台にした“現在”のお話

私たちは……誰に優しくしたらいいんだろう?

土田英生からのメッセージ

MONOの時期がやってきました。ここ数年は毎回新作です。今回ももちろんそうです。ただ今、絶賛執筆中です。
今回の『裸に勾玉(まがたま)』。
前回公演の『ぶた草の庭』などと同じように、普通のストレートプレイ、ウェルメイドな作品になると思いますが、設定は弥生時代です。そう時代劇なんです。
2013年、草彅剛さん、堀北真希さんらが出演していた『二都物語』の脚本を書いたのですが、チャールズ・ディケンズの原作では「フランス革命の頃のロンドンとパリ」という設定だったものを「邪馬台国と狗奴の国」変更して脚色しました。その時に資料を読んで、ああ面白いなあと思っていたのがきっかけです。
舞台は卑弥呼が死亡する少し前、魏志倭人伝によれば狗奴の国と邪馬台国が交戦状態になる頃の話です。
そんな時代に、ある集落の外れに住んでいる家族……身分も低い、そして頭も悪い三兄弟の物語を中心に、その周りに住む人たちが“ある選択”を迫られるという話です。間抜けですが、哀しいストーリーになると思います。
なぜ弥生時代に設定したのか。それはもちろん、今のことをビビッドに書きたいからに他なりません。フィクションにすることで、思い切り今のことを書けると思います。

MONO代表 土田英生