MONOは1989年、立命館大学の演劇サークル「劇団立命芸術劇場」のメンバーを中心に、前身である「B級プラクティス」として結成されました。1991年の第6回公演である『ノーティーナインティーズ』(KSKホール)からMONOに改名。1990年以降の全作品の作・演出を代表の土田英生が務めており、現在メンバーは土田英生、結成よりMONOに参加している水沼健、そして、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博の5名です。
『BROTHER』(扇町ミュージアムスクエア)で扇町アクトトライアル'92への参加をきっかけとして、関西小劇場で中心的な役割を果たしていた扇町ミュージアムスクエアで定期的に公演を行うようになります。当時、扇町ミュージアムスクエアでは、劇団☆新感線、南河内万歳一座、リリパット・アーミーなどが公演を行っており、そのような環境で刺激を受けながら、MONOは実力・人気を高めていきました。
その後、1998年に上演した『その鉄塔に男たちはいるという』(AI・HALL)が、翌年に第6回OMS戯曲賞大賞を受賞。2000年には土田英生が咲くやこの花賞、大阪府舞台芸術奨励賞、京都市芸術新人賞を受賞しました。また、2001年に土田が文学座に書き下ろした『崩れた石垣、のぼる鮭たち』が第56回芸術祭賞演劇部門で優秀賞を受賞、2004年に『約三十の嘘』(出演:椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡ら)が映画化されるなど、活躍の幅を広げました。2017年には『裸に勾玉』が大阪文化祭賞を受賞、大阪府下で行われる様々な公演の中から特に優れたものを顕彰する事業で、「維新派」「劇団☆新感線」に続いての受賞となりました。
個人の活動でも、土田英生は舞台の作・演出に加え、4月スタートの日本テレビ系ドラマ『崖っぷちホテル!』の脚本の他、『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』・『斉藤さん』シリーズなどのテレビドラマの脚本を手掛けています。また水沼健は自身のユニット「壁ノ花団」で作・演出家としても活動し、その活動で2016年に第34回京都府文化賞奨励賞を受賞しました。奥村泰彦は舞台美術家としても活動し、第14回・第17回読売演劇大賞優秀スタッフ賞を受賞。尾方宣久はiaku『粛々と運針』(2017)、世田谷パブリックシアター+KERA・MAP#007『キネマと恋人』(2016)、金替康博は東京マハロ『紅をさす』(2016)をはじめとする多数のプロデュース公演に出演しています。
『隣の芝生も。』に出演するのは、はMONOの5名と、2017年上演のMONO特別企画『怠惰なマネキン』に参加した世代の違う5名。
MONOをご覧になってくださっている皆さんには、長年一緒に創作している5人のアンサンブルや、その関係自体を、作品と重ねて楽しんでくださっている方もいらっしゃると思います。それは壊したくない、そう思う一方、マンネリでは自分たちも飽きてしまう。そんなことを考えながら、代表の土田を中心に、この数年間、若手の俳優との共同作業を繰り返し、今回、この10名が同じ舞台に揃うこととなりました。この作品をこれからのMONOに向けた、現在の到達点を示す作品にしたいと考えています。ご期待ください。
※過去公演『裸に勾玉』特設サイトでは、「MONOの取扱い説明書」としてMONOをよく知ってくださっている演劇人のみなさまにMONOの魅力をご紹介いただいています。ご参考のひとつにご覧くださいませ。